サイクルパーツにおける一生モノってどんなモノ?
WRITTEN BYvalon_admin
blog序:あるヒトの言うことにゃ
「自転車に乗ったヒト」は本来であればもっとも移動効率の良い生き物である。コンドルをぶっちぎって移動効率が良くなる。
そう語ったのは、故 スティーブ・ジョブスである。
自転車に乗ることでヒトは移動できる範囲を大きく広げることができます。
またあるヒト(金欠のサラリーマン)はこうも言います。
「移動効率が良くなったからと言って、すぐ壊れたり、愛着の湧かないようなカッコ悪い自転車は、イヤだ。」
これももっともでしょう。
そもそも自転車というのは、人々の生活の足として生活に根付いてきたという背景があります。
つまり、晴れの日は勿論、雨の日だって、雪の日だって、お腹が痛くたってしっかり走ってくれないと意味がない。
そういう意味でのタフさ。つまり、「いつでも俺は走っちゃうぜベイビー(死語)」という、街のほっとステーション的な安心感は必要なのです。
それはまた、速さに特化したロードバイクでも然りと言えます。
つまり、めっちゃタフなロードバイクに乗っちゃったら、めっちゃ移動効率良くなるんちゃいますの?ということです。
しかし、何処をどうタフにするのかという問題がここで挙がってきます。
消耗品であるワイヤーやタイヤ、ブレーキシュー以外でと考えると、力がかかり易く、雨や汗など金属の大敵である水分のある環境に晒されやすい箇所である駆動部(ベアリング)をタフにすれば良いのでは?という考えに至らせて頂きましょう。(私見でありますのでご寛容賜りたい。)
前置きが長くなりましたが、BBやハブ、ヘッドパーツなどのベアリングの入っている駆動部をめっちゃタフにしちゃえば良いのでは?
という前提のもと、本当にながーーーーーーーーーーいお付き合いになるであろうパーツブランドおよびそれらのブランドのアイテム、すなわち「一生モノ」をご紹介しましょう。
破:一生モノってどんなモノ?
Philwood(フィルウッド)
まずは、アメリカはカリフォルニア州サンノゼで1971年に創業したパーツブランド、Philwood(フィルウッド)
一生涯使えるという売り文句が有名のヘッドパーツやBB、ハブを製造しているメーカーです。
ここのハブは、ピスト用のハブに関しては純正のコグを使って使用していることという制約はありますが、消耗品以外で使用に問題があれば一生涯保証してくれます。プロミスです。
確かに他社の製品と比較したら値段が高いかもしれません。しかし、仮に数年に一回交換が必要な1万円のパーツを購入するのと一生使い続けることができる5万円のパーツを購入するのだったら5万円のモノを買うのが結果として満足度が高いのではないでしょうか?
また、余談ではありますがシールドベアリングを世界で初めて発明したのもフィルウッドだったりします。知ってました?僕はさっき知りました。
毎日晴れの日も雨の日も1年中街中を自転車で走り回って荷物を届けるバイクメッセンジャーからも絶大な支持を得ていることからもそのタフさが伺えますね。
ハブの回転はレース機材のそれではありませんが、しっかりと回り、スーーっと静かに進むといった印象でとても好印象です。
CHRIS KING(クリスキング)
ベアリング界の王様とも言うべきブランドが、CHRIS KING(クリスキング)です。
かのクリスキングのブランドヒストリーは義務教育中の必修科目となっているため、周知の事実かもしれません。
念のためおさらい程度に話しておくと、1976年に創業者である、クリスキング氏がカリフォルニアで始めたパーツブラドです。
頑丈な一生モノのヘッドパーツが欲しい!と言う方には持ってこいのブランドです。
マウンテンバイクにクリスキングのヘッドパーツを取り付けていた所、ヘッドパーツよりもフレームが先にダメになってしまった、と言う逸話もあるほどの頑丈さなのです。
また、ヘッドパーツ以外も製造しておりハブに関しては頑丈=重いという物理的障壁を乗り越えて、最強のスプリンターであるM・カベンディッシュのチームでツールを走ったのは記憶に新しいのではないでしょうか。
この時のエメラルドグリーンのヘッドパーツ、BB、ハブのコレクションは限定カラーとして販売され、とても綺麗な色だったのを記憶しています。
これらのブランドに関して、丈夫なことはお伝えしてきましたが、それ以外にもこれらブランドのおすすめポイントを挙げるとしたら、それはカラーバリエーションの豊富さではないでしょうか。
既存のレーシングパーツを作り続けてきたシマノやカンパニョーロ、マビックなどもそれぞれのブランドでイメージカラーがあり、それらの色を差し色にしたパーツの展開をしています。
マビックのマビックイエローが最たる例ですかね。
しかし、カラーは基本的にそれだけ、なんですよね。
他に色のバリエーションがあったとしてもせいぜい数色、お世辞にもかっこいいとは思えない色が展開されているだけで、結局のところ、一番無難なブランドカラーの物をチョイスする。そんなイメージがあります。
しかし、好きな色のものを使いたい。そう考えているユーザーも多いのではないでしょうか。
そんなユーザーのことを思ってか、はたまた単にアメリカンドリームのなせる技か、これらのブランドのパーツ群はカラーバリエーションが豊富なんです。
もう一度言いますが、カラーバリエーションが豊富、なんです。
ただでさえ頑丈で下手したら自分よりも寿命の長いパーツに好きな、グッとくる、そんなカラーリングがあったらどう思うでしょう。
きっと何も思わないかも知れません。
きっと何かを思った頃には既に自分のバイクに組み付けてあるはず。
そうして、金欠になって使わなくなったパーツを、ウェアをビチアモーレに売りに行くはず。
限定カラーなんて発売した日にはもう大変な有様でしょう。
はたまたそれが自分のグルーヴにドンピシャだった暁には、最寄りのお目当のパーツを取り扱っているショップへきっと向かうことでしょう。
急:一生モノでより良いサイクルライフを
タフさを追求した結果の造形美、カラーリングのうっとりするほどの美しさ、そして、一生使えるという相棒感。
値段は高いが、テンプレート的ではなく本当の意味で一生使える所有欲を満たせるパーツ。
レース機材一辺倒ではなく、働いて少し懐にも余裕の出てきたオトナの趣味というロードバイクの楽しみ方はいかがでしょうか。
余談ではありますが、一生モノのパーツはペアリング類以外にも存在します。
その代表格はレザーサドル。
最初は硬く乗りづらいかもしれません。しかし、オイルを塗っていくことで革自体が柔らかくなり、自分の身体にフィットするようになったら、
それは馬の背の蔵に跨ったナポレオンの心地、はたまた、暴れん坊将軍な心持ちです。そうしたら、ビチアモでご印籠も買いましょう。
ブルックスやセライタリア、ジルべルソーなどなど現在でも様々なブランドがあるのでお気に入りを選んで気長に付き合っていくことをオススメします。
ついでに言いますと、座面の真ん中が切り抜かれていて尿道を圧迫しないよう工夫してあるモデルがありますが、革が伸びるのが早いと言う評判を聞くことが多いんですよね。
なので、なるべく真ん中が切り抜かれていないスタンダードなものを選んで、オイルも塗りすぎないことが長く付き合っていくコツです。
いかがでしょうか?少しでも参考にしていただいて、末長くより良いサイクルライフを送れるようお祈りしております。
May the Force be with you!!!