ズイフトってたいへん!~最速店長選手権小咄
WRITTEN BYぎんちゃん blog多少ロードバイクを趣味と言える人なら聞いたことがある「最速店長選手権」
サイクルスポーツ誌が主催している企画で、全国に数あるスポーツバイクに強い自転車店の店長を集めて、
誰が速いか決めようじゃないかという、言葉尻にはバトルロワイヤル感あるイベント。
一応私は店長というのもあり、今回縁があって参加をさせていただくことができました。
しかし、今回はいつもとはちょっと違う店長選手権……バーチャルサイクリングソフト「ZWIFT」を使った
仮想空間でのレース……つまりZWIFTレースだったということ!
しかも、参加が決まった地点でZWIFTをやる環境もなく、パワーメーターもスマートローラーもないという
なにもないスッポンポンの状態!
参戦が決まって1か月弱、どうやってスタートラインに並んでどんなレースになったか、今回はそんな小話です。
■道具を買わないといけない
実は実業団の事務所でZWIFTは経験済み
なんとなくどんなもんで、どういう風になってるのかは知ってはいるが、すべて借り物でただ使っただけなので
兎にも角にも、道具をなんとか用意して、セッティングしないといけない。
パワーメーターやスマートローラーで対応しているものなら何でも動かせるが、
レースするとなると公平性だったり安定性の側面から、ZWIFT公認の機材を選ぶ必要があった。
そこで選んだのがWahooのKICKRスマートローラーだ。
もちろんビチアモの中古品、程度にもよるが7万円前後くらいから買えるモノが多い。
こちらのKICKRは並行輸入品で、国内用の電源コードがないが実はこうすることで問題なく使える。
説明書はない状態だったが、必要であればWEBでダウンロード可能。
愛用しているサイコンもWahooエレメントなので、あれこれやるには都合が良かろうという見通しもあった。
ケイデンスセンサーや心拍計はすでに運用済み。
どちらもGARMINのちょっと古いものだったが、それぞれキチンと連動してWahooのサイコンにはデータが上がってきて問題はないようだ。
ここまでひとまず動作はOKだったが、今度はパソコンで動かすZWIFTと連動させないといけない。
■環境を整えないといけない
次にローラー台を回したパワーデータをパソコンで起動させたZWIFTと連動させる必要がある。
アカウントを持っていないのでひとまずZWIFT公式サイトでソフトをダウンロード。
これ、思ってたよりも時間がかかりました、結構大きいソフトなんだね……
ソフトを起動させるとアカウントを作成、この辺は昔遊んでいたネットゲームと同じような感じだ。
しかし、ZWIFTはバーチャルサイクリングなんて謳っちゃってるけれど、実態はバリバリの3Dゲーム。
グラフィックエンジンの弱いPCやタブレットでは負担が大きく、自前のMicrosft Surfaceでは動くもののちょっと厳しい。
アカウント作成からのロード時間もずいぶん時間がかかってしまった。
しかもZWIFTは洋ゲーである。
自分の頃の洋ゲーなんてモータルコンバットかDOOMくらいしか流行らなかったが、当たり前ながら説明の9割が英語。
慎重に読めば読めるものばかりだが、しかし直感的にわかりづらいのは否めない。
設定やら課金制度など、登録時に何か間違うとエラーが出るが、何が間違ってるのかちょっと考えないといけなかった。
はっきりいって、任天堂のゲームのような親切さもなく丁寧なつくりではない。
登録とソフトのダウンロード・アップデートを行うとやっと起動。
そこで初めてWahoo KICKRや心拍計などのセンサーとソフトを同期させるプロセスになる。
同期は主にBluetoothかANT+で行うのだが、最近のタブレットはビルトインでBluetoothが認識できるようになっているので、当然Surfaceなどのタブレットとはあっさり同期してくれる。
が、心拍計とケイデンスセンサーが認識せずZWIFTと同期しない……
どういうことかというと、どちらも古く(これも実業団の先輩からのお下がり品…)Bluetoothに対応していないセンサーだったようだ。
どちらもANT+でのみ接続可能。
当然タブレットはANT+の接続なんてできない。
サイコンのWahoo Element BOLTはBluetoothに対応しているので、いったんサイコンで拾ったデータをZWIFTで認識を……と思ったものの
どうやらそういうわけにはいかないようだ。
兎にも角にもZWIFTさんはセンサーから直接ではないと拾わないし、サイコンのデータを送ることはできない。
一応スマートローラーが認識していればZWIFTを遊ぶことはできるが、
トレーニング的な意味や今回の店長選手権でも心拍計は必ずつけなさいという指示なので
ANT+をパソコンやタブレットで拾えるようにするドングル(アンテナ的なもの)を取り付けて、ANT+で運用することにした。
■ANT+ドングルはちょっと厄介
自分はAmazonをつかって評価のよさそうなものを買ったが、USBポートに差し込んでみたものの、どうもパソコンが認識してくれない。
大抵はWindows側で適当にドライバを拾ってきて認識してくれるものなのだが、ANT+のドングルは自前で探さないといけないようだ。
Googleで検索してあれこれ探してなんとかドライバーをダウンロードして、認識させることができたが、
不慣れな方はドライバのROMが付属したりWebで公開しているような、信頼あるブランド品を買う方がスムースだと思う。
とまぁ、ここまでやって何とかセンサー類すべてと、スマートローラーを認識させることができた。
結局この環境を整えるのに、終業後に残ってやってたのもあったが、1週間近くかかってしまった。
あとは使って慣れるところなのだが、さらには今回はZOOMでスタジオとつないでオンラインでやり取りするのだから、
普段ZOOMを使っていない方はさらに大変だろうなと考えてしまった。
・その他グッズ
扇風機はサーキュレーターみたいなものが置ければ理想だが、南麻布店は非常に狭いのでスペースの都合からUSB扇風機。
風量もあまり期待できないが、それでも使ってみた感じ効果はある程度期待できそうだ。
バイクにはタオルをかける。
ハンドル周りの腐食防止のためで、メーカーからそれ専用のカバーも出ていてちょっと使っても見たが、
自分のペダリングの癖では結構気になってしまい、タオルが一番都合よさそうだった。
迎えた当日、それまでに数回ZWIFTを動かせた関係で、比較的スムーズにミーティングには接続。
ZOOMは名前を指定の名前に変えてほしいなど、すこし厄介なログインも必要だったが、
自分以上に苦戦しているお店もあり、なかなかむつかしいものだなと感じた。
肝心のレースは序盤から掛かりまくりで、シクロクロスレースさながらのドンパチ合戦。
最初のKOMで先頭集団から落ちたものの第2集団で粘り、何とか終盤まで。
しかしラスト5㎞でなんと通信落車……頑張って漕いでいるのに0wになってバイクが止まってしまった。
これはANT+ドングルのアンテナがちょっと緩かったのもあるかもしれない。
集団から落ち、そのあとはヒラヒラ走って18位でした。
あんまり実況で映らず、もうちょっと先頭集団以外も取り上げてくれたらなんて思いましたが、
でもなかなか貴重な経験にはなったかなと思いました。
ほんと、思っていたよりZWIFTってたいへん!