ロングライド実録!東京~名古屋間を走ってきました 後編
WRITTEN BY長谷川勇介 blog前回の続きです。箱根峠を下ってきたところから。
やがて街中まで下りてきて、ここからは平坦な市街地を行きます。
三島を抜けて沼津へ。長い長い静岡県の、まだまだ序章。
東京から名古屋や大阪へ自転車で行こうという方へアドバイスですが、「ただ国道1号を行けばいいんでしょ」というわけにはいかないのです。
なぜなら自転車進入禁止のバイパスが多いから。特に静岡は顕著です。
なので1号本線を避けて、1号付近の県道などを走ります。
そうして基本的に海沿いを走り、ようやく静岡駅に到着したのがちょうど夜中0時でした。
静岡駅では武将像を少しだけ見てちょっぴり観光気分。
なにしろバイクに乗ることが旅の95%くらいを占めるので(笑)、こういうのもないとネ。
そしてまた走り、用宗街道を行き、少し進んで着いたのが大崩海岸というところ。
ここは何と道路が海の上を走っています。海上橋になっているんですね。橋の上から対岸を見れば、明らかに廃道とわかる洞門が。
もう「大崩」の名が全てを物語っていますが、ここは昔から道路を作っては崩れてを繰り返す厄介な所なのだとか。だからいっそ海上に道を通しているんですね。テクノロジーのゴリ押し感がすごい。
この大崩海岸の2つ名は、「東海道の親不知」。
親不知は北陸道にある、山脈の末端が海に迫る地形ゆえに有史以来天下に名高い交通の難所です。実は自分はロードで走ったことあります。だから、まさにここを通る際はデジャヴを感じました。
海上橋からそのまますぐに狭いトンネルに入ります。トンネルを抜けても曲がりくねった崖上の道。しかも登りです。夜中なのが幸いして、車とは1台くらいしかすれ違いませんでした。よかったー…のかな。昼間ならけっこうな眺望があったんではないかと思ってしまいますが…。
大崩海岸を過ぎると焼津に到着。
海鮮の加工場の匂いを嗅ぎつつ進むと、今度は大井川を渡りやがて御前崎市に至ります。
御前崎市の時点でおおよそ5時ごろ。はい、ペースは全く上がっておりません。
24時間で到達とか言ってたのが恥ずかしいほどに、着く気配がありませぬ(笑)
こう中だるみするとつい休みたくなるのが人情というもの。道の駅に入り、1時間半くらいうたた寝しました。
外がだいぶ明るくなってから再出発。
多くの風車が立ち並ぶ中を走ります。が、コマーシャルで見るような爽やかなものではなく、寒さと疲れと眠気に苛まれつつ、ただ進むだけのような状態…。
輪行リタイアする選択肢もあるものの、それでは何も為し得ぬままの、くたびれもうけになってしまうと思い継続しました。脚力の無さは気力でカバーだッ!
すっかり街は動き出し、車通りも多くなりやや進みにくくなったものの、太陽の光は人を覚醒状態にしてくれるものですね。このライドで実感しました。
そしてようやっと浜名湖に到着。大きな橋の向こうが海という、なかなか無い光景でした。
浜名湖の周りはサイクリングルートが設定されていたり、サイクリストにフレンドリーな様です。
実際、麻布の川チュン店長も「あそこは良いよ!」と太鼓判を押していました。
しかしこの時の自分はとにかく名古屋を目指すのみ。早々に湖畔を離れ、山間に進みます。
普通はどのルートで行くものなのかよく分からないのですが、この時は多米峠を越えて愛知県に入りました。
登りは辛いものの、平坦を走り飽きていたので気分的なリフレッシュになりましたね^^
ようやく静岡県を突破です!もうこれで愛知県!勝ったなガハハ!
しかし。しかしです。まだ道のりは100km以上残ってます(笑)
国道1号をまーーーっすぐ行くだけなのですが、これがまた退屈!幹線道路で大型車も多いし、ただ道路標識の市名の移り変わりだけを楽しみに走り抜けます。
それもいつかは終わりが来るもので、ついに名古屋市に到着!!
さあ、最後に向かうのは…そう!ビチアモーレ名古屋店でございます!
もう暗くなってきた夕方17時ごろ、32時間ほどかけて、やってきましたビチアモーレ名古屋店。
手厚い歓迎とシャンパンファイトで祝福があるかと思ったら、忙しそうに働く黒柳さんと濱田くん。
そりゃそうだ普通の営業日やねん(笑)
お互いの店舗の調子を聞いたり名古屋の話を聞いたりするうちに、黒柳さんから
「そうだ、僕のバイク乗ってみますか」ということに。着いたと思ったら始まる試乗www
コロンバス チェントの限定チューブを使ったケルビムのディスクロード。スラムのeTap AXS 12S仕様です。
ごく簡単な試乗でしたが、ペダリングの感触は良く知るスチールのもの。
しかしパワーをかけるとたわみの少ない、ヒュッと前に出る感覚!
剛性感あるモダンスチール、優しさと鋭さのマッチングが楽しい良いとこ取りバイクでした。
こうしてライドは何とか終了。
休日はもう1日あり、翌日は三重県桑名から滋賀県信楽まで走り、鈴鹿や伊賀・甲賀の道を楽しみました。
信楽では実はバイクの注文などをしたのですが、その話はまたいずれ機会があれば。
ここまで随分と長くなりましたが、読んでくださりありがとうございました!
今回のことでキャノンボール(東京~大阪間24H以内)とか走る方は雲の上の存在だなと思ったり(笑)
しかしロングライドの間の非日常感、心浮き立つ旅心地、たどり着けるのかの不安と挑戦する気持ちなどは、サイクリストにしか知り得ない無二の経験です。
あなたも是非、あなたにとっての挑戦をしてみては。