ワイドリムについて本気出して考えてみた。
WRITTEN BYぎんちゃん blogワイドリム。
ホイールのリム幅の話題が出るようになって久しい界隈ですが、各メーカーもすっかり17Cや19Cといった、25Cタイヤに最適化したホイールがスタンダードになってまいりました。
実は南麻布店でもよく受ける質問として、
古い15Cやそれを下回るナローリムモデルに25Cタイヤは取り付けられるのか?
もしくはその反対、ワイドリムに23Cタイヤは取り付けられるのか?
10年前の古いフレームだがワイドリムは取り付けられるのか?
そんな情報に溢れ、混乱しがちなホイールのあれこれをすこし本気出して(?)試してみました。
治験の車体はもちろん自分の愛機、ビアンキ928SLです。
この車体はなんと2010年モデル、今から10年以上前のフレームですから当然23C全盛期。
ヒルクライムでは19Cというタイヤもあった時代の車体です。
実際にこの車体を使って2020シーズンあらゆるレースに、あらゆるタイヤを組み合わせて走らせてみました。
■古いフレームにワイドリムは入るのか??
これは結論から言えば「車体とタイヤによる」という元も子もない、もっともらしい結論しかないのですが
さらに言えば「意外と入ってしまう」という側面もありました。
治験に使ったホイールは泣く子も黙るカンパニョーロのBORA WTO45です。
なんとこのホイール、リム内幅が19C規格です。
さらにそれにIRCのフォーミュラープロの25Cを合わせて使いましたが……なんと、意外にもクリアランスに余裕があります。
さすがに28Cは厳しそうですが、25Cはイケそうですね。
ちなみにシュワルベのPRO ONE25Cも試しましたが、こちらも問題なく入りました。
もちろんフレームタッチもありません。
これ、考えてみれば春のクラシックレースなどでは、荒れた路面に対応するため、割と昔からFMBやデュガスの25~28mm幅のチューブラーが使われてきた歴史があり、案外当時のトップグレードのバイクはそういった拡張性で、割と入ってしまうのでは??という推論も。
実際この治験のビアンキ928SLはプロ供給モデルのレプリカ(というより放出品?)なので、それもあるかも知れません。
■推奨組み合わせ外のタイヤは取り付けられるのか?
ナローリムに25C、28Cタイヤは問題なく取り付けられるのは周知ではあるのですが
(クロスバイクなどは、15Cリムに28Cタイヤが取り付けられている事がままあります)
果たして、ワイドリムに23Cタイヤをつけるとどうなってしまうのか……?
ということで、今度はBORA WTOに23Cタイヤを取り付けてみました。
ヴィットリアのCORSA SPEED TLR 23C!
相手が19Cリムですが、チューブレス対応ということ細身で軽量なチューブレスをセット。
推奨外の組み合わせですが、軽快な23Cタイヤにチューブレスでさらに軽量、これは最強なのでは??
ということで使ってみたのですが……結論から言うとワイドリムにはやはり25Cが絶対オススメということでした。
それは「ホイールに対してタイヤが負ける」という一言です。
ワイドリムのホイールってナローリムのモデルに対して総じて剛性が高いです。
設計もあるんでしょうが、やはり世代もあるでしょう「より硬く、より軽量に」は正常な進化です。
タイヤが細いとですね、そのホイールに対しての加速、減速、コーナリング、すべてにおいてキャパシティが少ないんですね。
加速しようとしても、荒れたアスファルトではバイクが跳ねる。
コーナリングで倒しこんでもグリップがつかみづらい。
おおよそちょうどいい空気圧を狙って試してみるものの、
ここのコーナーでは良いけど、登坂ではもっと高い空気圧にしたいなど、
とにかく細いタイヤの限界を超えた仕事をホイールが要求している印象なんですね。
高剛性なホイールはとにかくタイヤに対して「多くの仕事を求める」印象を強く受けました。
たしかに23Cタイヤは軽量で、チューブレスと合わせればスペック上は非常に軽量で優れた走りをするはずなのですが……
実際にロードレースやクリテリウムで使用してみると、乗りづらい、ピーキーな印象になってしまいました。
なるほど、これが推奨組み合わせって奴なのか……
やはりメーカー推奨には逆らわない方がいいという、なんとも無難な結論には至りましたが、しかしながら、10年以上前の旧型フレームでも最新のカーボンクリンチャーの走りの良さはかなり体感できました。
お持ちの古いモデルでも、最新のホイールを楽しめる車体は存外多いのではないでしょうか?
あれ?考えてみたというより、実際に使ってみたという感想になっている?