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坂はキレーだっての!~JBCF東日本ロードクラシック

WRITTEN BYぎんちゃん blog

こんにちは、南麻布店のかわちゃんです。

ご存知の通り、いろいろありまして遅れに遅れたJBCFの開幕戦、
東日本ロードクラシックに参戦してまいりました。

本来なら4月にあるはずだったこのレース。
コースはお馴染みの群馬サイクルスポーツセンター、通称「群サイ」
全長おおよそ6km、上るか下るかしかない群馬の山奥にあるクローズドサーキットです。

とにかくこのコース、キツい

峠、坂道、ヒルクライム、上り全般嫌いな自分としては、極力避けたいレースではあるのですが、もともとオリンピックスケジュールの関係でイベントが少なかった上に、さらにはコロナウィルスの流行でさらにイベント中止が相次ぎ、実業団チームのレーサーとしては

出れるレースはとにかく出る

という方針に。

ある程度の上りは対応できるとはいえ、ここまでキツいコースだと自分の脚では、上位集団でのゴールは望むべくもないものの、走るからには恥ずかしくないレベルの走りは見せたい所。

レース数日前には個人的に試走に乗り込んで、コースのイメージと走り方をチェック。

前回のツールドかつらおの時よりも体重的には2kg弱ほど絞れており
天候の関係で思うほど走り込めてはいないものの、コンディション自体は
かつらおよりも仕上がってるなという感触のまま当日を迎えた。

他チーム員とは現地集合。

今年は長い梅雨もあり、天候はかつらおに続いて雨。
空気圧は前回に引き続き23Cながら前後5.0Barという超低圧でセッティング。

万が一の際の操縦性の確保と、ホームストレートのアスファルトがあまり綺麗ではないので、バイクのすわりをよくする意味もあっての思惑です。

感染症対策というのもあり、現地では検温や受付テント付近ではマスク着用のルールが施行されており、かなり気を遣った運営だというのはコースサイドからもうかがえた。

レースは無観客試合ではあるのですが、そもそも以前からこんな群馬の山奥までエリートツアーのレースを観戦するなんて物好きな人はあまりいないので、レースのムードとしてはいつもの群馬と変わらない印象でした。

受付をしてバイクやゼッケンを整えると試走へ。
同じE3を走るメンバー3人で走るものの、走り出してすぐ「疲労が抜けてないな」と本調子でないことを察知。

そもそも群馬のここまで朝早く出発する必要もあって、前日に2時間弱ほどしか寝れておらず、試走を進めるうちに「今日のレースはかなり厳しい戦いになるな」と予感せざるえなかった。

試走後に一緒した監督に「試走のペースは結構踏んでましたか?」と念のため聞いてみるが、こちらの質問の真意を察したか、歯切れの悪い返事しかしてくれなかった。

招集時間になり、土砂降りということではないものの、雨が降る中ダミーグリッドへ移動。

スタート前のアナウンスではウェットコンディションというのもあり、1周はモトが先導し、隊列キープのローリングラップが行われ、2周目の中盤以降に隊列が安定次第リアルスタートが切られるという流れのようだ。

レースはローリングラップ含めて8周回。

ダミーグリッドの位置はよく、集団の前方に位置することが出来、
ローリングラップが開始されても安定してその位置をキープできた。

群馬のコースは、コース序盤にまとまった下りがあり、そこのカーブでの落車がないか不安だったものの、ローリング中は全体的にお行儀がよく、とりわけ安定して隊列をキープすることができた。

しかしながらローリングラップ中から心拍は170前後を出しており、
今の自分の足やコンディションでレースができるのか、ただただ不安でしかなかった。

2周目コース終盤の激坂区間、通称「心臓破り」の手前で、いよいよ先頭を引くモトがクラクションを鳴らしリアルスタート。
一気に集団のペースが上がり、自分もペダルを踏む力を上げるが、周囲のペースがあまりに速く、リアルスタートして5秒で崖から転がり落ちるようにゴボウ抜かれ!


▲リアルスタート直後の自分。すでに集団後方である!

最初の心臓破りを超えるころにはほぼ最下位のポジションまでダウン。

こんなペースであと6周も持つわけがない!!

早々と集団についていくことを諦め、誰か似たような状況の選手とパックを組んで、何とか足切りを逃れゴールを目指すという作戦に切り替えた。

3周目に入ると、ペースについていけずあえなくダウンした選手が、前からちらほらと落ちてくる。

パックを組もう!完走を目指そう!!

自分はなりふり構わず落ちて来た選手に声をかけて、なんとかグルペットを組もうと働きかけた。

一人よりも二人、二人よりも集団で先頭を後退してペースを作った方が、楽に確実にゴールを目指せる。

時折合流と分裂を繰り返しながら3周目にになると、
チームSBCの身長の高いスコット・フォイルに乗った選手と、
クオーレの身長の低いキャニオン・アルチメイトに乗った選手と自分の3人パックが安定してきて
「この3人でゴールを目指すパックになるな」となんとなく感じ、長い戦いになるなと悟った。


▲3人でお互い苦しみながら遠いゴールを目指した

SBCのスコットに乗る選手は、身長が180はあるんじゃないかという長身だが、登坂がかなり厳しそうで、登坂区間になるたびにかなり苦しそうな表情で何とかついてくるが、逆に下りがものすごく上手く、体重があるからなのかとにかくスピードのノリがよく、下りではぐいぐいと引いてくれる。

逆にクオーレの選手は自分よりやや身長が低いんじゃないかという小柄な方で、焼けた肌よろしく締まった足をしており、
登坂区間のリズムが良く心臓破りではぐいぐいとペースを作って引いてくれる。

しかしながら今度は彼は下りがあまり速くなく、下り区間では自分ら二人からちぎれそうになりながら、何とかついてくるという展開だった。

自分は登坂が苦手なものの、なんとか二人にはついていける程度のスピードはあり、下りも長身のSBCの選手にピッタリつけられる程度にはリズムを作れていた。

最初は図らずしも合流した3人パックだったが周回を重ねるごとに
あと何周だ?」「上りのペースはこれで大丈夫か」「お互いなんとか頑張ろう」と妙な仲間意識が生まれてくる。

自分もギリギリのペースで、心臓破りでは心拍が190を超えるものの、なんとかついていけるペースのままレースを進めた。

実際にペースはそれほど悪くなく、決して速いペースではないものの、
周回ごとに前から落ちてきた数人を抜き去り、少しづつ順位を上げながら、苦しみながらゴールを目指した。

しかし6周目が終わる頃、ホームストレート手前の小高い丘で右足がつり始めてしまいペースダウン。

緩斜面だったので何とかごまかしながら二人から遅れまいと、ドリンクを補給したり、アンクリングしながら、ごまかしてしばらく少し後ろを走ったものの、コース中盤で完全に足が回せなくなってしまいスローダウン。

この地点で完全に自分のレースは終わってしまった。

無理に走ることもできたが、所詮完走狙いの後方パック。
足がつった状態で無理に走ると肉離れなど、筋肉に大きなダメージを与えてコンディションを落とすことが怖く、そこまでしてこのレースを続ける理由は自分にはなかった。

ただ、3人パックから自分が一番に脱落してしまったのが情けなかった。

体をよじりながら、ゆっくりとバイクを進める。
一度は抜いた選手たちにどんどん抜かれていく。
情けない、みっともない。
自分は勝つことがレースの目的ではないにしても、レースという次元にたどり着いてないことが恥ずかしく感じた。

▲足切り直前、集団から取り残された自分……

コースの半周ほど歩くようなペースで、足の具合を確かめながら走っていると
補給したドリンクのBCAAが効いてきたのか、少し足が回るようになり再びレースペースで走り始めるが、後方から同じE3のトップ集団が近づいてきて、コースサイドに避けて周回遅れに。

そのままその周回で足切りされ、レースを下ろされてしまった。

結果としては出走81人中完走は66人、自分は67位の-1LAPだったので、
足切りにあった選手の中では一番最後まで走っていたという結果でした。

レース後、監督やチームメイトにも「この悔しさをバネに……」とは月並みな言葉をかけられたけれど、なんというか、悔しいという気持ちよりもただ情けないという気持ちといいますか……

あとちょっとで何かに手が届きそうとか、もうすこしこうだったら、というような気分ではなく「お話にならない、このままではレースにならない」というような途方もない感覚が近いかもしれない。

ただ、3人パックで一緒に走っていた二人はあの後の2周回でさらに順位を挽回して40位台でゴールしており、足つりをうまく回避できていれば、あれくらいの順位でゴール出来たのかなとぼんやりと感じた。

40位台だと真ん中よりちょっと遅いくらいなので、もうちょっとうまくやれば「レースができる」レベルになれるかもしれない。


▲レースが終わったらラップ計測の発信機を返そうね

とまぁ、どう考えても苦手な群サイから打って変わって次回8月頭の宇都宮2連戦に出走してきます。

今度こそはちゃんと完走、そして上位集団でのゴールを目指したい。

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