エアロハンドルの選び方とおすすめモデル8選。高速域で圧倒的に差が出るエアロハンドル。
WRITTEN BY黒柳卓真
blog目次
1. ロードバイク用 エアロ ハンドルのメリット・選び方
効率よく空気抵抗の削減につながる
ロードバイクにおいて最初に空気抵抗の影響を受けるのはフロントホイールですが、その次に空気の壁にぶつかるのがハンドルです。ハンドルはフレーム・ホイールほどではないものの、バイクを真正面から見たときの前方投影面積も大きく、意外と空気抵抗の影響を受けるパーツです。一般的なハンドルのほとんどは真円型パイプで空気抵抗の大きい形状ですが、この部分をエアロ形状に変えることで空気抵抗の削減・速度UPにつながります。
空気抵抗の削減という面ではハンドルよりもフレーム・ホイールといったパーツのほうが効果は大きいですが、その分費用も高くなりがちです。一方エアロハンドルは多少高額とはいえ、フレーム・ホイールと比べると安上がりです。さらに導入しているユーザーもそこまで多くはなく、特に高速域のレースなどで周囲と差をつけることができます。
リーチ・ドロップといった握り心地を大事に
エアロ効果が高いとは言っても、ハンドルは乗車中常に体が触れる部分の一つです。しっかりと下ハンドルのカーブ、リーチ・ドロップといった形状を確認して選びましょう。実際に自分で握ってみて、手にしっくりくるか・剛性はどうかといったところまで確認できればベストです。同じアナトミックシャロー(コンパクト)形状でも、バーエンド部分や下ハンドル部分はモデルによって違いがあります。
丸形状のハンドルほどラインナップは多くありませんが、昨今エアロハンドルの種類もかなり増えてきており、自分の好みに合うものはきっとあるはずです。特にエアロハンドルのハンドル交換は少々面倒なので、妥協せず納得のいくものを選びましょう。
2. ロードバイク用 エアロ ハンドルのデメリット・注意点
形状が複雑かつ大きくなるため、重量が重くなりがち
空気抵抗を削減するために上ハンドル部分が大きくなるため、丸ハンドルと比べてどうしても重量が増してしまいます。また、その板のような形状からどうしても上下方向の力には弱く、大柄で筋肉質な人であれば剛性不足に感じてしまう場面があるかもしれません。
とはいえカーボンの成形技術も日々発展しており、エアロ形状だけれども高い剛性を持つハンドルや、剛性を少し落とすことでエアロ効果と軽量性を両立させたモデルもあります。各メーカーもこぞって新しいエアロハンドルを開発・発表しているため、気になる方は一度調べてみては如何でしょうか?
ケーブル内臓式の場合が多く、交換がやや手間
丸ハンドルと比べてエアロハンドルは空気抵抗を最適化するためにケーブルも内装仕様となっている場合が多く、ほとんどの場合ワイヤー交換も併せて必要となります。その際ディレイラー・ブレーキの調整も再度必要となるため、自分一人ではなかなか交換が難しいのが難点です。
ケーブルを無理くり外付けにして既存のものを使うというのもできなくはないですが、エアロハンドルはやはりその空力を生かせるようスマートに取り付けたいところ。ある程度ワイヤーがへたってきたり、引きが重い・変速がうまくいかないなどワイヤー交換が必要になったと感じた時に、合わせてハンドルも交換してしまうのがオススメです。
3. ロードバイク用 エアロ ハンドルのおすすめ8選
SPECIALIZED(スペシャライズド)のおすすめ
S-WORKS AEROFLY Ⅱ (エスワークス エアロフライ Ⅱ)
定価:¥32,000(税抜)
重量:235g(420mm・メーカー公称値)
自社に風洞実験施設を持ち「 Aero is Everything 」というコンセプトのもと“最速”のエアロフレーム・ホイールを研究・開発し続けているSPECIALIZEDが誇るエアロハンドルがこの「AEROFLY Ⅱ」です。自社にある風洞実験施設を生かし、徹底して空気抵抗が削減できるように設計されています。
空力を極限まで最適化するために、上ハンドル部分に段差を設けバーテープがフィットするように作りこむなどこだわりにあふれています。その一方、上ハンドル部分には滑り止めのためにディンプルを打ち込むなど、空力のみならず利便性もしっかりと考えられて作られています。SPECIALIZED以外のバイクにも、メーカーの垣根問わずオススメできるハンドルですよ。
Shimano Pro(シマノ プロ)のおすすめ
PRO Vibe AERO CARBON(プロ バイブ エアロカーボン)
定価:¥42,000(税抜)
重量:245g(400mm・メーカー公称値 )
Vibeシリーズといえば、スプリンター御用達の高剛性モデルといった印象がありますがこのハンドルもその例にもれず、エアロ形状と剛性の高さを両立しています。さらに下ハンドル部分を細く設計し、さらなる空気抵抗の削減と握りやすさを実現。カーボンハンドルだからこそできる自由な造形といえるでしょう。
コンポメーカーのシマノが開発したハンドルなだけあり、Di2のハンドルバー内臓式ジャンクションにも対応、追加のスプリンタースイッチ・クライマースイッチの配置なども自由度の高い設定が可能となっています。
ZIPP(ジップ)のおすすめ
ZIPP SL-70 AERO HANDLEBAR
(ジップ SL70 エアロ ハンドルバー)
定価:¥37,780(税抜)
重量:240g(420mm・メーカー公称値 )
エアロハンドルはどれも比較的リーチが長く、低身長や腕の短いユーザーにとっては使いたくても体に合わないという…とお悩みの方はいないでしょうか?このハンドルはリーチ70mmというショートリーチとなっており、ポジション的に長いリーチは厳しい、という方にお勧めです。
古くからホイールを手始めにエアロダイナミクスの第一線走っているZIPPの作るカーボンハンドルなだけあり、こちらも高い剛性とエアロ効果を両立しています。また、ステムクランプ部・マウント取り付け部も比較的広く作られており、わざわざ専用のマウント等を使わなくてもよい場合が多いのもメリットですね。
FSA(エフエスエー)のおすすめ
FSA K-WING (FSA ケーウイング)
定価:¥40,250(税込)
重量:230g(メーカー公称値)
FSAは古くよりハンドルを・ステム・シートポストと手広く展開しており、またカーボンパーツも多く作っております。このK-WINGはそんなFSAの作るエアロハンドル。FSAはカーボンの成形技術も高く、エアロハンドルの中では比較的軽量に仕上がっているのもメリットですね。
ブラケット部分と比べて、エンド部が少し広くハの字型に設計されており、スプリントの際に力をこめやすくなっています。スプリントの時は力をしっかりと入れたいけれども、普段の巡航ではハンドル幅を狭くして空気抵抗を減らしたい!という方におすすめです。
EASTON(イーストン)のおすすめ
EC90 AERO ロードバー (EC90 エアロ ロードバー)
定価:¥36,000(税抜)
重量:230g(420mm・メーカー公称値)
エアロハンドルといえば、バーテープをすべて巻かず肩部分のみに留めるという使い方がポピュラーですが、そうした際にかなりインパクトがあるのがこのEASTONのハンドル。マットカラーのハンドルに大きくロゴデザインが入っており、その存在感は抜群です。レース会場で見かけた際には「この人、いかにも早そう…」というイメージを与えられるかもしれませんね。
また「EC90 AERO」の一つ下のグレードとして、「EC70 AERO」がラインナップしております。こちらカーボンの素材が違う程度で、形状はほぼ同じです。少し重量は増してしまうものの、空力は変わらずコストパフォーマンスは抜群ですよ。興味のある方は一度チェックしてみてくださいね。
3T(スリーティー/トリプルティー)のおすすめ
AERONOVA PRO(エアロノヴァ プロ)
定価:¥18,000(税抜)
重量:390g(420mm・メーカー公称値)
エアロハンドルといえばほとんどがカーボンハンドルとなっていますが、このハンドルはその中でも数少ないアルミ製のエアロハンドル。3Tの他のモデル同様、カーボンで作られたさらに上位のTEAM/LTDグレードはあるものの、基本的な成形は同じです。エアロ効果も上位モデル譲りとなっています。
アルミ製のため、成形上どうしても上ハンドル部分の重みにより重量が増してしまうのが欠点でしょうか。とはいえそれを差し置いてもかなり低価格となっており、とりあえずエアロハンドルの効果を試してみたい!という方にはお勧めですね。
ENVE(エンヴィ)のおすすめ
ENVE SES AERO ROAD BAR (エンヴィ SES エアロ ロードバー)
定価:¥50,000(税抜)
重量:233g(400mm)
ENVEといえばハンドル界のライトウェイト、そのお値段も高額ということもあり高級ハンドルバーという印象が強いですが、その理由は使っているカーボンの質の高さゆえのもの。世界トップレベルのスプリンターであるマーク・カヴェンディッシュがスプリントで数々の勝利を収めていた時に使っていたのもENVEのハンドルでした。トップスプリンターのパワーにも耐えうる剛性、高い性能を持っているといえます。
ハンドル本体の性能の高さはもちろん、エンドプラグが不要となるようにバーエンド部分に折り返し機構がついており細かい作りこみの光る逸品です。価格が価格なだけに中々手が出しづらいですが、いつかは使ってみたい憧れのハンドルの一つですね。
Vision(ヴィジョン)のおすすめ
VISION METRON 5D(ヴィジョン メトロン 5D)
定価:¥75,000(税抜)
重量:395g(420mm ・メーカー公称値)
ステム一体型ハンドルは取り付け後に細かいポジション変更ができない点、単純な軽量ステム・エアロハンドルの組み合わせと比べて重量的に少し重くなる点から、ホビーレーサーでは使っているユーザーはそう多くありませんが、実は通常のエアロハンドルと比べて剛性はより高く・空気抵抗をより小さくできる形状でもあります。種類はそう多くはありませんが、その中でもVision metlonは世界のトッププロチームでも多く採用されています。
特にステムとハンドルが一体化した結果生まれる高い剛性による加速感は抜群で、新城選手をはじめとした、パンチャーやスプリンターといった加速の得意な選手がこぞって使うほど。アタックのキレを上げたい!というのであれば、一度使ってみるのも良いのではないでしょうか。
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